無情な少女とイケメン転校生

自己紹介

予鈴が鳴り終わり、1時限目が始まった。

この時間は、宮村のための時間らしい。

自己紹介をし、自分も自己紹介をするのだという。

全く面倒くさくてたまらない。

心の中で悪態をついていると、担任の岡野先生が来た。

「あー、わかっていると思うが、自己紹介をするぞ!まずは宮村!お前からだ」

宮村は先生に呼ばれて立ち、教壇に立つ。

「えーと、宮村楓です。両親の転勤でこの学校に来ました。できるだけ皆と仲良くなりたいです。よろしくお願いします」

あちこちからパラパラと拍手が聞こえる。

もちろん私は拍手をしない。

窓の外を向く。

それから宮村への、質問が始まった。

「はいはい!宮村君の趣味は何ですか?」

「うーん、やっぱり運動かな?さっぱりするし」

「どんな女の子がタイプ?」

「優しくて、誠実で他人の幸せを願ってる子かな?」

今のご時世に珍しいタイプだ。

でもやっぱり興味がないので、そのあとの質問は無視。

ずっとグラウンドで走っている生徒を見て、会話を聞き流した。

その時―
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