キミにこの声が届くまで
恋歌side
あれから毎日のように二人から電話がかかってくる
いいかげんうざい……
正直嫌だ。
歌織が……
「か、歌織?」
「なに」
「怒ってる?」
「別に」
「怒ってるじゃん」
「怒るよ!あたし、翔さん好きなのにあんたばっか電話かかってきて、あたしかかってきたことないもんっ!」
「歌織…」
「あんたとは絶交だから」
「歌織!」
最悪。あの人達に逢わなかったらこんな事はなかったのに
全部あの人達のせいじゃん
それに、翔さんは歌織が思ってるほどいい人じゃない。
反対に俊さんの方が歌織の好みの人だと思う。
「なに悩んでんの?らしくねー」
一人で歩いていたら聞きたくない声が耳に入ってきた
「しょーさん………」
「なになに?悩み聞いてやんぞ!」
「………っう〜…ばかっ、ばか!」
「ぇ!?えっ、なに、なになにどーした!」
ごめん
めちゃ焦ったる
焦るよね。
ごめん今だけだから
甘えさせて…
その瞬間
翔さんに抱きしめられた。
「落ち着くまでここにいな」
「…ありがとーございます…ぅ」
「ぅんぅん。可愛い可愛い」
「…ばかにしてる?」
「ないない!」
このひと
変わってる
そう思うと自然に頬が緩んでわらえてきた