運命という名の恋

結局、1人で食べることにした。

うーん…
なんか味気ないなぁ…
ずっとみんなで食べてたからかな…

そう思うと泣きそうになった。

「おぃ」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

急に抱きしめられて
耳にささやかれた。

「なっ!なんで!?」

「なんでっつーか
 おまえ、1人で食べるなよ」

「だって蒼月寝てたから!!」

「んまぁーそーだけどさぁ
 あ、それくれ」

「え??これ??」

「おぅ」

「はぃ」

「ん…うまいな」

そういってくれたのは豆腐。

「豆腐好きなの?」

「うーん、特別好きなわけでも
 ないが好きだぜ。
 それより口移しがいいなー」

「な、なにが??」

「食べさせてくれるのもいいけど
 口移しで食べさせてってこと」

「なっ!!ばかっ!!」

「可愛いやつめ」

「お世辞いいんでー!
 ごはん持ってくる!!」

「逃げやがったな」

「あたりまえです
 …てゆか逃げてません」

もう…この男は。

でも、無意識のうちに顔が
ほころんでいくのがわかった。
< 34 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop