ペンギン家政婦サービス

ガチャ。

「きゃー！イケメン！ハンサム！ジャニーズ！」
「…は？」

そこにいたのは、小柄な少女だった。
ボーイッシュなショートヘア、ぽってりとした唇。
真っ黒なワンピースに真っ白なエプロンを着けている。

「あっすみません、想像以上にイケメンになられていたので、つい騒いでしまいました！」

少女はにっこりと笑った。
よく言えば愛嬌のある、悪く言えばどことなく間抜けな笑顔だった。

「？おれとアンタ、どっかで会ったことある？」
「はい！申し遅れました、わたしはあの時助けていただいたペンギンです！」
「は？」
「鶴の恩返しってお話知ってます？」
「知ってるけど…」
「じゃあ問題無し！お邪魔しまーす」
「待て」

小さく開けたドアのすき間から入ってこようとする少女を制止する。

「どうしたんですか？お掃除お洗濯なんでもやりますよ？」
「どうしたもこうしたも…」

やばい。変な人だ。
どうしよう、通報しようか…。