ペンギン家政婦サービス
そんなアスマの胸中を知ってか知らずか、自称ペンギンの少女はポンと両手を合わせた。
「そうだ!ベアトリス様から手紙を預かってるんだったー」
そう言って、エプロンのポケットから取り出した紙を手渡してきた。
『アスマへ
一人暮らしのあなたが心配なので、家政婦さんを頼みました。
その子の話をよく聞いて、頑張ってね。
おばあちゃんより』
確かにばーちゃんの字だ…。
でも、なんか変な文だな。「頑張れ」って、何を…?
「一緒に頑張りましょうね」
ペンギン少女がにっこり笑う。
「どういうことなんだ…」
「あれ?何も聞いてないんですか?」
「何を?」
「その様子だと、聞いてないんですね。説明してあげるので入れてください」
「待て」
再び押し入ってこようとした少女を制止する。
「なんですかーまだ疑ってるんですか?」
「いや、手紙も見たし、アンタがばーちゃんに言われて来たってことはわかった。でも、自称ペンギンの変な奴を部屋に上げる気にはならない」
「自称ペンギンじゃないです!正真正銘のペンギンです!」
ぷぅ、とむくれたその顔は愛らしかったが、やはりどう見ても人間だった。
「アスマさんが昔助けたペンギンですよう」
「おれ、ペンギン助けた記憶なんてないけど」
「小さい頃のことだから、アスマさんは覚えてないかもしれませんけど。10年前、水族館で…」
「水族館で?」
「まあ、この話はいずれしましょう。今は、わたしたちがこれからするべきことを話さなくちゃ」
「はあ」
「えっとですね、あなたのおばあさまは魔女、それも動物を扱うことに長けた動物使いなんです」
魔法使い。
急に飛び出してきたファンタジーな単語に、アスマは頭がくらくらするのを感じた。
なんなんだ、本当に…。
少女は構わず続ける。
「それでね、その血を引いているアスマさんにも、動物使いの素養があるのです」
「そうだ!ベアトリス様から手紙を預かってるんだったー」
そう言って、エプロンのポケットから取り出した紙を手渡してきた。
『アスマへ
一人暮らしのあなたが心配なので、家政婦さんを頼みました。
その子の話をよく聞いて、頑張ってね。
おばあちゃんより』
確かにばーちゃんの字だ…。
でも、なんか変な文だな。「頑張れ」って、何を…?
「一緒に頑張りましょうね」
ペンギン少女がにっこり笑う。
「どういうことなんだ…」
「あれ?何も聞いてないんですか?」
「何を?」
「その様子だと、聞いてないんですね。説明してあげるので入れてください」
「待て」
再び押し入ってこようとした少女を制止する。
「なんですかーまだ疑ってるんですか?」
「いや、手紙も見たし、アンタがばーちゃんに言われて来たってことはわかった。でも、自称ペンギンの変な奴を部屋に上げる気にはならない」
「自称ペンギンじゃないです!正真正銘のペンギンです!」
ぷぅ、とむくれたその顔は愛らしかったが、やはりどう見ても人間だった。
「アスマさんが昔助けたペンギンですよう」
「おれ、ペンギン助けた記憶なんてないけど」
「小さい頃のことだから、アスマさんは覚えてないかもしれませんけど。10年前、水族館で…」
「水族館で?」
「まあ、この話はいずれしましょう。今は、わたしたちがこれからするべきことを話さなくちゃ」
「はあ」
「えっとですね、あなたのおばあさまは魔女、それも動物を扱うことに長けた動物使いなんです」
魔法使い。
急に飛び出してきたファンタジーな単語に、アスマは頭がくらくらするのを感じた。
なんなんだ、本当に…。
少女は構わず続ける。
「それでね、その血を引いているアスマさんにも、動物使いの素養があるのです」