だいすきのすき
とりあえずコケシちゃんの前の空席にドカッと座って、目線をコケシちゃんに合わせる。


ほとんど喋ったことない相手だからか。
なんか緊張してる感じがウブっぽくてちょっと可愛いく見えた。


「時間ある時で良いから、今度のテスト範囲の勉強教えてくんない?」


「勉強?」


「俺さぁ毎回赤点ばっかだからこれ以上赤点だったら留年にリーチかかっちゃうんだよね……。だから助けて欲しいんだ」



俺が考えたコケシちゃんとのお近付き計画。

それは来週から始まる中間テストの勉強を教えてもらうこと。


コケシちゃんともお近付きになれるし、俺のおバカの汚名も返上出来るっていう一石二鳥なナイス計画なのだ。



なんて内心でほくそ笑みながら、お願いって両手を合わせてみせた俺にコケシちゃんはしばらく黙ったまま何かを考えていた。
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