だいすきのすき
「でも小学生の時とか、行事で雨が降ったら文句言われちゃって……雨って漢字がすごく嫌だったんだ」


思い出し笑いで苦笑いを浮かべる彼女がちょっと気の毒に見える。


子どもだから仕方ないって思うけど……それにしても理不尽な言いがかりだよな。


「名前のせいで雨が降るワケないに決まってるのに」


「雨が降ってイライラしてたんだろうね」



思ったまんまを口にしたら雨花はクスクスと小さく笑いながら頷いた。




「良い名前なのに」


「えっ?」


「ちゃんと意味も込められてるし、良い名前だなって」



我ながら月並みな褒め言葉……。

でも、小西さんは昨日と同じように嬉しそうな笑顔を浮かべて、


「ありがとうっ」


頬をピンク色にしながらお礼を言ってきた。




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