だいすきのすき
だから、テストが全部返ってきた日。


「雨花っ」


放課後になって徐々に教室から人気がなくなっていったのを見計らって、自分の席に座っていた雨花の元に向かった。


「ほら! 見てっ」


「わぁっ! ほとんど平均点だっ」


帰り支度をしていた雨花の机に構わず広げられたテストを見て、雨花は思った通りの嬉しい顔で俺を見た。



「おめでとう! 憂梧くんがんばったもんねっ!」



机の上のテストの一枚一枚を丁寧に眺めて、



「惜しい答えもあるし……しっかりがんばったってすごくわかるよ」


こうして点数以上の評価を俺にくれる。



雨花のこの反応を見つめながら、俺の中でのある決意が固まっていった。


今ならなんかいける気がする。
告白するには持って来いのタイミング到来だ。
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