だいすきのすき
提げていた買い物袋をそそくさとキッチンに置くや否や。
足早にこちらにやって来ると、


「憂ちゃんも家に女の子連れ込んじゃうくらい大きくなったのね~。安心したわ」


何とも言えない清々しい笑顔を浮かべ、俺の肩をバシバシと叩いてくるから堪らない。


「なっ! 変なこと言うなよ!」


あからさまに取り乱してる俺に構わず、正面で呆気に取られている雨花にずいっと詰め寄り、


「はじめまして、憂梧の姉の未尋(みひろ)です」


俺が止める間もなく、ご丁寧に自己紹介まで始めてしまう。


「は、はじめましてっ! 小西雨花です」


思いがけない姉貴の登場に、顔を緊張させた雨花が慌てて椅子から立ち上がり、お辞儀をしながら自己紹介を返す。


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