恐愛同級生

ダメ。彼の言葉に惑わされて騙されちゃダメ。

今は三浦君の話を一方的に聞いているから、その話を信じそうになっているだけ。

例えば彼が何か矛盾したことを言っていたとしても、混乱している今の頭ではうまく考えられるはずもない。

「鈴森、落ち着けって!!さっき廊下を歩いてる時もひどい顔してた。本当は何かあったんだろ?」

「ないよ。何もない」

嘘だ。翔か好未がストーカー……?

そんなはずないよ。

「何もないはずないだろ。おい、落ち着けよ!」

自然と荒くなる呼吸。

嘘。嘘。嘘。嘘。嘘。嘘。

三浦君が嘘をついてる。

頭が混乱して目の前が白くかすむ。

「ない。本当に何もないの」

三浦君がうつむいて震えるあたしの肩に手を置く。

あたしはその手を振り払うことさえできないくらいうろたえていた。

立て続けに起こる出来事に頭の中が追い付いていかない。
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