恐愛同級生

だけど、今までの話すべてに三浦君が嘘をついていたとは思えない。

今まで何の疑いもなくあたしは三浦君をストーカーだと決めつけていた。

それに翔と桜と好未が同調することでストーカーの正体は三浦君であるという疑惑は確信に変わった。

だけど、状況は少しづつ変化している。

まるで、きっちりとはまっていたパズルのピースがほんの少しだけ歪みはまらなくなるみたいに。

どんなに力付くではめようとしても形の違うピースははまらない。

そのパズルは永遠に完成しない。

「あんまり抱え込むなよ?何かあったら、すぐ言えって。協力できることならするから」

三浦君はそっとあたしの手を掴んで立ち上がらせてくれた。

あんなにも三浦君を恐れていたはずのあたしが、三浦君の手を借りて立ち上がるなんて……。

その時、ふと桜の言葉が脳裏によみがえる。

『ストーカーが三浦君って決めつけないほうがいいかもしれない』
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