恐愛同級生

「これ、渡しておくな」

すると、三浦君があたしの手のひらに何かを渡した。

そっと手を広げるとそこには一枚のメモがあった。

『平成第二中学校』

平成…第二中……?

どうしてだろう……。

知っているはずがないのに、どこかで聞いた覚えがある中学校名だ。

「これって……?」

「五十嵐翔の出身中学」

「翔の……?」

「いずれ使うことになるかもしれないから渡しておく」

三浦君はそれだけ言うと、一人で教材室の扉へ歩みを進めた。
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