恐愛同級生

「り、莉乃……!!」

青ざめた表情を浮かべながらはだけたYシャツを元通りにする翔。

「マジビビった!ハァー、てか見られちゃったかぁ~」

好未はため息交じりに呟くと、冷たい視線をこちらに投げた。


「つーかさぁー、何も言わずにカーテン開けるとかマジないんだけど」

乱れた髪を整えながら嫌悪感丸出しの好未。

対照的な反応の二人を冷静に見つめるあたし。

まるで時間が止まってしまったような感覚。

彼氏と友達の浮気現場を目撃したとは思えないほどに、あたしは落ち着いていた。

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