恐愛同級生
「……――莉乃……。ごめんなさい」
すると、好未はうつろな表情を浮かべながらゆっくりとあたしの元へ歩み寄りギュッとあたしの体を抱きしめた。
「傷つけて……ごめんね。本当にごめん……」
「……っ……」
痛いくらいの力で抱きしめられて思わず顔を歪ませる。
「あたし、もう翔君のこと諦めるから。だから、これからもあたしと友達でいてくれるっ?」
「好未……」
「ホント、いろいろごめん。今度、学食一回おごるから。ねっ?ハンバーグ定食でいいっ?莉乃、好きでしょ?」
いつもの口調で話す好未に拍子抜けする。
さっきまでとは一転した好未の態度に困惑する。
本当に……翔とのことは一時の気の迷いなの……?
だったとしたら、さっきまでの……
あたしを見るあの目は一体なんだったの……?