恐愛同級生

「あははっ……。そうだよね……。冗談だよ~。もう、翔ってばそんな本気にならないでよ」

あたかも冗談であったかのように笑って誤魔化そうとしても、目の下が引きつる。

ここは翔の部屋だ。

もし万が一のことがあっても、誰も助けになど来てくれない。

自分でも何にこんなにもおびえているのか分からない。

だけど、目に見えない恐怖が体を這い上がってくる感覚に襲われていてもたってもいられない。

部屋の掛け時計は11時半を指している。

あたしはとっさに切り出した。

「何か……お腹空いちゃったな。もうすぐお昼だし、何か食べに行かない?」

「もうそんな時間か……。何か食べようか」

そう切り出すと、翔はいつものような笑みを取り戻した。
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