恐愛同級生
「莉乃の為だよ。俺は莉乃の彼氏だから莉乃の考えてることは全てお見通しなんだよ」
「どういうこと?」
「莉乃が白石を傷付けてやりたいって思ってたのに気が付いたから、俺が代わりにやってあげたんだよ」
「あたし、そんなこと思ってな――」
そう言いかけた時、翔はニヤリと笑った。
「だったらさ、俺が白石の首絞めてる時、どうしてすぐに止めなかったの?」
「えっ……?」
時が止まってしまったかのような感覚。
全身がスーッと熱を失ったかのように冷たくなり、身動き一つとれなくなる。
「止めなかったってことは、莉乃だって少なからずそうしてほしかったってことでしょ?」
翔の瞳があたしを捕えて離さない。
その瞳にはすべてを見透かされている気がした。
あの時、確かに止めようと思えばすぐに翔を止めることができた。
だけど、そうしなかったのは好未に対して憎しみの感情があったから。
翔を寝取ろうとした好未に、自分と同じ苦しみを少しでも味わって欲しかった。
自分でも信じられないくらい冷酷な感情がわきあがって、それを自分自身でコントロールすることができなかった。
翔の行為をとがめるどころか、あたしは心のどこかでその行為に拍手を送っていた。
あたしは……あの時……
確かに好未を見捨てようとした。
「どういうこと?」
「莉乃が白石を傷付けてやりたいって思ってたのに気が付いたから、俺が代わりにやってあげたんだよ」
「あたし、そんなこと思ってな――」
そう言いかけた時、翔はニヤリと笑った。
「だったらさ、俺が白石の首絞めてる時、どうしてすぐに止めなかったの?」
「えっ……?」
時が止まってしまったかのような感覚。
全身がスーッと熱を失ったかのように冷たくなり、身動き一つとれなくなる。
「止めなかったってことは、莉乃だって少なからずそうしてほしかったってことでしょ?」
翔の瞳があたしを捕えて離さない。
その瞳にはすべてを見透かされている気がした。
あの時、確かに止めようと思えばすぐに翔を止めることができた。
だけど、そうしなかったのは好未に対して憎しみの感情があったから。
翔を寝取ろうとした好未に、自分と同じ苦しみを少しでも味わって欲しかった。
自分でも信じられないくらい冷酷な感情がわきあがって、それを自分自身でコントロールすることができなかった。
翔の行為をとがめるどころか、あたしは心のどこかでその行為に拍手を送っていた。
あたしは……あの時……
確かに好未を見捨てようとした。