恐愛同級生
疑心暗鬼
「……――莉乃。もう莉乃ってば!!」
「えっ!?あっ、なに?」
「具合はどう?少しはよくなったの?」
「あぁ、うん……」
「さっきからずーっと呼んでるのに。最近、怖い顔して考え事ばっかりしてるみたいだけど学校で何かあったの?具合が悪いのもそのせいじゃ……」
ハッとして顔を持ち上げると、お母さんが怪訝そうに目を細めた。
「違うって。本当に風邪を引いただけだよ」
あたしは数日間、学校を休んだ。
翔に会うことも、好未に会うことも避けたかったから。
今日は日曜日。
必死に用意された朝食を胃に押し込んでソファに腰を下ろしたところまでは覚えている。
でも、それからはあれこれぼんやりと考え込んでしまっていた。
「もし何かあるなら早めに言いなさいよ?」
「うん」
だけど、あたしはお母さんを心配させまいと笑顔で答えた。