恐愛同級生

「あれは、マロンの監視だよ。外出中にマロンがなにをしているのか見えるんだ。マロンは家族同然だけど、連れていけない場所もたくさんあるから。お留守番しているときにマロンに何かが起こったらすぐにわかるようつけたの」

「監視……?」

「そうそう。家の外にいても、スマホでこの部屋の映像を見られるの。スマホがあるだけで、どこにいても誰といてもマロンを見られるんだよ。だけど、どうしてそんなことを聞くの?」

「……されてるよ」

「え?」

「この部屋……監視されてる」

桜が恐怖に顔を歪める。

「誰かに見られてる!!」

桜のその一言に、背中に氷の塊をおしあてられたように、全身に悪寒が走った。
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