恐愛同級生

「な、何それ……。桜ってばそんな怖いこと言わないでよ。冗談だったら怒るよ~?」

笑おうとしても顔が異常なほどに引きつって動悸が起こる。

桜の怯え方からして、冗談を言っているとは考えられない。

「あのカメラのレンズ、動いたの……」

「えっ……?でも、カメラは人の動きに反応して……――」

「違うよ。最初は電源が入っていなかったの。いつも電源って入れっぱなしなの?」

「ううん。外出中だけ電源を入れてる。そうしないとお母さんに電気代が高いって怒られちゃうから」

「だとしたら、おかしいよ。電源が入っていないのにカメラのレンズが動くはずない」

桜も同じように寒気がするのか、腕をさすり続ける。
< 168 / 303 >

この作品をシェア

pagetop