恐愛同級生

けれど困ったことに、その相談内容をストーカーに聞かれていた可能性がある。

「桜だから正直に言うけど、多分……ストーカーは3人のうちの誰かだと思う」

「3人って言うと、翔君か好未か三浦君ってこと?」

「そう。だけど、翔だけは……理由がないの。あたしをストーカーするメリットもないし」

三浦君がストーカーだとしたら、あたしへの歪んだ愛の形をストーカー行為へと発展させていったという理由がある。

「それとね、三浦君に言われたの。白石好未に気をつけろって」

「三浦君がそんなことを?」

「そう。あたしと仲の良い友達には気を付けた方がいいって言われたから、好未のこと?って聞いたんだ。そしたら、そうだって」

「莉乃と仲の良い友達って、三浦君確かにそう言っていたの?」

「うん。三浦君の感じからして、顔は知っているけど名前は知らないみたいだった」

ストーカーの正体は一体誰だろう……。

三浦君の言葉が正しいとしたら、好未がストーカーの可能性が高い。

好未は翔のことが好きだった。だから、彼女であるあたしに憎しみを抱きあたしを苦しめる為にストーカーを装い嫌がらせをし始めた。

だけど、いくら考えても翔には何の理由も見当たらない。

あたしと翔は付き合っているし、二人の関係だって順調そのものだった。

だとしたら、翔があたしにストーカー行為する理由は何もない。
< 172 / 303 >

この作品をシェア

pagetop