恐愛同級生

「確かに莉乃の言うとおりかも。今はまだ誰がストーカーか絞り切らない方がいいかもしれないね」

「うん……。それとね、ひとつお願いがあって」

「お願い?」

「うん。どうしても桜に着いてきてほしい場所があるの」

「どこ?」

「平成第二中学校」

「それって……もしかして翔君の母校?」

「そう。三浦君にもらったメモにそう記されていたの。あたし、どうしても気になってて。そこへ行けば何か手がかりがつかめるかもしれない」

教材室で三浦君は言っていた。

『いずれ使うことになるかもしれないから渡しておく』と。

それを使うのはきっと今しかない。

あたしは確信を持っていた。
< 173 / 303 >

この作品をシェア

pagetop