恐愛同級生

「平成第二中学に一緒に行くのはいいけど、今日は日曜日だよ?生徒も先生もいないと思う」

「そっか……。それなら、部活にきている生徒に聞いてみるっていうのは?」

「でも、なんて聞くの?」

「それは……――」

確かに桜の言うとおりだ。

あたしは部活の生徒……翔の後輩に一体何を聞こうとしているんだろう。

あたしが黙り込むと、桜は真剣な顔をした。

「莉乃が平成第二中学に行こうとしている理由は、翔君がストーカーでないことを確かめるため?それとも、ストーカーである理由を探すこと?どっち?」

あたしはすぐに答えることができなかった。

あんなに信頼していた翔をあたしは心の奥底で疑い始めていた。

ふとした瞬間に見せる攻撃的な翔の姿を思い出すだけで動悸が激しくなる。
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