恐愛同級生

ファミレスからそんなに離れていない場所にその人はいた。

小さな公園のベンチには、見るからに神経質そうな男の子が座っていた。

指で触れただけで刺さりそうなほどに過敏な雰囲気をかもしだしている男の子。

彼はあたし達に気付くと一度腰を上げて「どうも」と愛想なく頭を下げると再び同じ場所に腰かけた。

長い前髪の間から除く瞳は、赤く充血していた。

「会わせたい人って彼のこと?」

小声で桜に尋ねる。

「そう。彼、好未と同じ中学の島田君っていうの」

「あっ、もしかして前予備校が同じ友達って言っていたのが彼?」

「うん。そう」

男の子だったんだ。

てっきり女の子かと思っていた。
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