恐愛同級生
「中学時代の好未のこと、莉乃に話してあげてくれない?」
桜の誘導で島田君はボソボソと、時々言葉に詰まりながらも当時の話をしてくれた。
好未が中学時代、親友の彼氏を寝取り3股をかけていたこと。
彼氏をとられて泣きじゃくる親友のことを鼻で笑いバカにしていたこと。
男女関係なく好未は嫌いな人間を徹底的に排除しようとした。
そして、好未と同じクラスだった島田君は彼女に「ガリ勉野郎」と笑い者にされて辛い中学時代を過ごした。
好未の悪行のすべてを話し終えた島田君はどこかホッとしているように見えた。
自分の中にため込んだ不安や苦しみや悲しみは人に話すことでいくらか救われる。
彼はそれをあたしに吐き出すことで、気持ちが晴れたのかもしれない。