恐愛同級生

予備校の時間になり、彼は一通り話終えると公園を後にした。

残されたあたしの中で好未への負の感情は大きくなった。

「島田君の話だと、イジメもすごかったみたい。女の子の髪の毛を掴んで引っ張り回したり……。好未ならやりかねないね……」

「うん……」

桜の言葉に小さく頷く。

確かに好未ならばやりかねないかもしれない。

保健室で、翔とベッドにいるところをあたしに見られても慌てるどころか開き直ってあたしを攻め立てた。

普通の神経だったらそんなことできるはずない。

マスカラで目の下を真っ黒に染め、充血した目であたしを睨みつけた好未の鬼のような恐ろしい形相が目に浮かぶ。
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