恐愛同級生
ようやく諦めてくれたのかもしれない。
ホッと胸を撫で下ろしながら翔に視線を向けたあたしは驚愕した。
翔の目は鬼のように吊るし上がり、目のふちを怒りで真っ赤に染めていた。
奥歯をギリギリと悔しそうに噛みしめて唇を震わす翔は何かに取りつかれたかのようにあたしの肩を掴んだ。
「言え」
その豹変に保健室での一件を思い出す。
今、目の前のいる翔の様子は、好未の首を締め上げた時と同じだった。
「翔……」
「早く言え!!あいつと友達を辞めると言え!!今なら許してやる。だから、早く言うんだ!!」
翔はあたしの肩を前後に激しく揺する。