恐愛同級生
あたしは目の前にある階段をスルーして、渡り廊下の先にある階段を目指して歩き出した。
足が徐々に速まる。
歩きながら周りを見渡す。
誰かに見られているような気がして鼓動が速くなる。
前から歩いてきた女子生徒と目が合った。
見覚えのない顔だから上級生だろう。
すれ違い様、彼女は何故か驚いた顔でこちらを見ていた。
何だろう……。
不思議に思いながら振り返ると、彼女とバチッと目が合った。
「……――!!」
その途端、ザワザワと体の毛が逆立つような恐怖に駆られた。
何で立ち止ってこちらを見ているんだろう。