恐愛同級生

あたしは目の前にある階段をスルーして、渡り廊下の先にある階段を目指して歩き出した。

足が徐々に速まる。

歩きながら周りを見渡す。

誰かに見られているような気がして鼓動が速くなる。

前から歩いてきた女子生徒と目が合った。

見覚えのない顔だから上級生だろう。

すれ違い様、彼女は何故か驚いた顔でこちらを見ていた。

何だろう……。

不思議に思いながら振り返ると、彼女とバチッと目が合った。

「……――!!」

その途端、ザワザワと体の毛が逆立つような恐怖に駆られた。

何で立ち止ってこちらを見ているんだろう。
< 211 / 303 >

この作品をシェア

pagetop