恐愛同級生
「へぇ。キレイにしてるんだな~」
放課後。
うちに遊びに来た翔は部屋に入るなりキョロキョロと部屋を見渡して感心したように呟いた。
「そんなことないよ~」
「いや、相当キレイだから」
「本当?それならよかった」
ホッとしたように胸を撫でおろす。
典型的なO型のあたし。
昨日まではベッドの上に脱いだばかりの制服が雑に置かれていたし、床には読み終えた雑誌や漫画が積み重なっていた。
だけど、翔が突然うちにくることになり、慌てて片付けた。
見るはずもない窓ガラスまで磨いたし、床は雑巾がけまでしてしまった。
最近、お父さんが買ってくれたデスクトップのパソコンの上に積もりに積もったほこりの山も綺麗にふき取った。
すべては翔によく思われるため。