恐愛同級生

得体のしれない何かがあたしの足元にいる。

黒い黒い穴の中からそっと手を伸ばし、あたしを引きずり込もうとしている。

このままきっとあたしは引きずり込まれるんだろう。

そして、二度と出ては来られまい。

「桜……――助けて……」

そう呟くと、

『大丈夫。あたしが莉乃を助けてあげる』

どこかで桜の声がした気がした。
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