恐愛同級生

インターネットだけが兄貴の自由に生きられる世界だったに違いない。

ネットにハマった兄貴は昼夜問わずパソコンの前に座りキーボードを叩いた。

そのうち、SNSサイトで誰かとやりとりを初めてからはほんの少しだけ変わった。

時期的には、俺が高校に入学してしばらく経ったころからだろう。

変わったといっても良い方に変わったのかと聞かれれば、『はい』とは言い切れない。

兄貴は何かの目標を達成するために動いているような気がした。

目をギラギラと輝かせてパソコンを食い入るように見つめるその姿は、どこか異常性を感じられた。
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