恐愛同級生

「鈴森さんのこと、他のクラスの奴も大勢狙ってるって聞いたよ。でも、鈴森さんは高嶺の花だから手を出しずらいみたいだね」

高嶺の花……?

彼の言葉の意味が分からずに首を傾げると、

「俺、五十嵐っていうんだ。五十嵐翔。よろしくね」

彼は無邪気な笑みをこちらに向けた。

五十嵐翔……?

どこかで聞いたことがある名前だ。

「あっ、五十嵐君!」

その時、ようやく彼が噂の五十嵐翔君であることに気が付いた。

確かに目鼻立ちは整っている。

王子様のようなやわらかい笑顔が印象的だ。

180センチ近くある身長、長い手足。

笑うと幼くなる表情に母性本能をくすぐられる。

確かに女の子がキャーキャー言うのもうなづける。
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