恐愛同級生
1回……2回……こんなに待ち遠しいのは初めてだ。
3回目の呼び出し音ののち、「……もしもし」というくぐもった声が耳に届いた。
「鈴森か……!?大丈夫か……!?」
「翔……?翔……なの?」
「違う!!俺は三浦だ!!今どこにいる!?」
途切れ途切れの声からはまるで生気が感じられない。
五十嵐から逃げ切れたことで緊張の糸が解けたからだろうか……?
まるで操り人形のように誰かに言わされているかのようにさえ感じる。
……誰かに言わされている……?
「莉乃……あたし、変わるよ?」
「桜……ありがとう」
桜……?
まさか……――。
そうか……。
そうだ………。
俺は大きな間違いを犯していたんだ……――。
頭の中が真っ白になり、鼓動が速くなる。