恐愛同級生
「……もしもし、三浦君?あたし、莉乃の友達です。莉乃はしゃべれる様子じゃないので、あたしが代わりに話を聞きます」
「どうして……俺が三浦だってわかった?このスマホは……五十嵐の物だ!!」
「そんな興奮しないで。莉乃に聞こえるでしょ」
声の主は突き放す様に言うと、ため息交じりにこう言った。
「ねぇ、三浦君。あたし、あなたに一度もお礼を言ってなかったわね?今回は、どうもありがとう」
「礼だと……?」
「あなたの存在のおかげで全部がうまくいったの」
満足げにそう言うと、声の主はふふっと笑った。
そして、こう告げた。
「三浦君、あたしの名前は市川桜よ。白石好未じゃない」
やっぱりそうだ。
恐れていたことが現実になった……。
俺はなんていう勘違いを犯していたんだ……。
最悪のシナリオ通りになったと気付いた瞬間、体中から力が抜けた。