恐愛同級生

「全部お見通しってわけか……」

「大体の話は莉乃に聞いたわ。莉乃もパニックになっていたし、詳しいことは分からないけど」

「ストーカーの正体は……お前だな……?」

「まぁ、結論から言うとそうなるわね。だけど、すべては莉乃の為なのよ」

俺がそう尋ねると市川は淡々とした口調で悪気もなくそう答えた。

やっぱりそうだ……。

教材室での出来事が悔やまれる。

あの時、俺は致命的なミスを犯していた。

鈴森から露骨に避けられていた俺は、自分がストーカーではないという誤解を解くために鈴森を教材室へ連れ込んだ。

そして、鈴森に伝えようとした。

お前と一番仲の良い友達に気を付けた方がいいと。
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