恐愛同級生

「……――い、市川桜……」

ど、どうしてここに……?

目の前に立っている人物に驚き、目を見開く。

「初めまして、とでも言った方がいいかしら?」

長い前髪の間からニッと笑うその表情は、今まで見た誰よりも恐ろしいものだった。

市川は倒れている五十嵐に視線を向け、クスッと笑う。

「あらあら。翔君ってばあんなところに倒れて。だけど、まだ動いているし息はあるみたいね」

「どうして……ここへ来た……」

「あなたたちの様子を見に来たのよ」

「俺たちの……様子を?」

「そう。だけど、三浦君も相当重症ね?顔が青ざめてるわよ?早く止血しないと、死んじゃうかもしれないわ」

心底楽しそうに言う市川に怒りが込み上げる。
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