恐愛同級生

そして、握りしめていた何かを指先で掴んでヒラヒラと揺らした。

……ま、まさか……。

そんな……嘘だろ……。

ドクンッと心臓が不快な音を立てる。

銀色の何かが太陽の光に反射する。

「……――でもね」

振り返ると、ナイフをもった五十嵐がすぐそばまで来ていた。

「……殺してやる。殺してやる。殺してやる。殺してやる」

五十嵐の目には俺しか映っていない。
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