恐愛同級生

「ごめんね……あたし……」

「別にいいって。俺はどう思われようと。ただ、お前が心配なだけだから」

彼の繰り返す『心配』という単語が引っかかる。

「まぁいいや。とにかく無事なら」

すると、彼は急に歩き出した。

あたしは彼の半歩後ろを歩きながら様子をうかがう。

あのラインは本当に三浦君が送ったんだろうか……?

三浦君は何も言っていなかった。

だけど、三浦君以外であのラインを送りそうな人の見当がつかない。

「……――ごめんな、具合悪いのに呼び出して」

「えっ……?」

考え事をしていたせいで、周りを全く気にしていなかった。

ふと足を止めると、そこは保健室の目の前だった。

もしかして……わざわざ保健室まで送ってくれたの……?

「あっ、ううん……。大丈夫だよ」

「じゃあな。ゆっくり休めよ」

わずかに表情を緩めてそう言う三浦君。

「あっ、あの!!」

あたしは慌てて彼を呼び止めた。





< 50 / 303 >

この作品をシェア

pagetop