恐愛同級生

それから、あたしは翔の助言で桜と好未に三浦君のことを話すことにした。

二人にも協力してもらい、三浦君との接触を少しでも減らすのが目的だった。

桜と好未は『嘘ででしょ?』と目を見合わせて驚いていたけど、すぐに真剣な表情になってこういってくれた。

『大丈夫。あたし達で莉乃を守るから』と。

心強いその言葉にあたしは何度も二人にお礼を言った。

だけど、三浦君とは隣のクラスということもあり廊下や体育館で顔を合わせることも多かった。

その度に、三浦君は何とかしてあたしに声を掛けようとしているように見えたけれど、桜と好未がそれを許さなかった。

『莉乃、いこっ!』そう言って腕を引っ張られて三浦君から逃げていくあたしの背中には、三浦君からの痛い視線が突き刺さった。
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