恐愛同級生
「やめてよ……」
扉を叩く音はそれでもやまない。
「あたしが何をしたって言うの……?お願いだからもうやめて……!!」
耳を塞いで叫んでも、相手はドアを叩くのを一向にやめようとはしない。
鼓動が速くなる。
息をうまく吸えずに喉の奥がカラカラに乾く。
≪ピーンポーン≫
再び鳴るチャイム。
やめて。もうやめてよ。
チャイムの呼び鈴とドアを叩く音に耐えられず両手で耳を塞ぐ。
「……――の。莉乃……――!!」
その時、かすかにあたしの名前を呼ぶ声がした。
やめて。やめて。やめて。やめて。
何度も頭の中で繰りかえす。
「やめて!!三浦君、お願いだからもうやめて!!」
大声でそう叫んだ時、カチャッという音と同時に玄関の扉が開いた。