俺は、兄貴と同じ恋をした



「あ、天沢…」



そう呼ぶとまた少し、不機嫌そうな顔をするけれど、まぁいいか…とかなんとか呟き、


私が苦戦してたあの重いトレイを、
軽々と持ち上げた


ちょっと強引な人だしチャラそうだけど…ホントは優しい性格なんだね。


へぇ~、意外~



「天沢、優しいだね。」



くすくすっ、と笑いながら"ありがとう"
そう言った
すると、何故か天沢は立ち止まってしまった
天沢のすぐ後ろを歩いていた私は、天沢の背中にぶつかってしまう



「ったぁ~


ちょ、どうし…!!」




おでこをさすりながら顔をあげると、
天沢より低い私の視線に合わせた天沢の顔が、目の前にあった

天沢からは…

女物の香水の香りがした


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