俺は、兄貴と同じ恋をした
一瞬耳を疑った
頭の上にハテナマークがぽんぽん浮かぶと同時に
周りの女生徒が黄色い声をあげる
それを教頭先生が
いそいで黙らせていた
ろくにステージのほうを向いていなかった私も
天敵『天沢』の名前を聞いて
ハッとステージのほうに視線をむけた
________!!
「三年A組、在校生代表
天沢 三智。」
彼が話はじめれば、周りも自然と静かになる
一度も染めてないであろう、髪の毛は綺麗な黒色
長身でスラッとしていて足が長くって…
とても整った顔立ちをしていた
まるで、おとぎ話の王子様が制服をきてそのまま飛び出してきたような___
彼が放つ暖かな春のような王子オーラには、誰もが引き込まれた
凛とした声が体育館中に響く
あまり顔で好き嫌いを決めない私でも
彼のこと…
天沢 三智先輩のことを、
ボーッと見つめているのでした。