クール上司と偽装レンアイ!?
午後になると大量の材料が返品されて来た。

資材の一時保管場所に高く詰まれたダンボールに圧倒される。

実際見るとすごい量だ。
これを一つ一つ確認していくなんて…不安でいっぱいだけど、とにかく急がなくちゃ。

急いで箱を開いてチェックして行く。

1時過ぎから必死に作業してなんとか半分終らせる事が出来たのは4時過ぎだった。

このペースだと終るのは7時くらいになりそうだ。

それから溜まってる仕事を片付けて……帰れるのは8時くらいかな。

そう言えば今日は部内での飲み会だった。

名目は神崎さんの歓迎会。

転勤して来てもう一ヶ月以上経つから今更なんだけど。

結構楽しみだったけど、今日は参加出来ないな。

時計を見ながらそんな事を考えてると、突然声をかけられた。

「あと、どれくらい有る?」

「え?」

ビクッとして振り返ると、私の直ぐ後ろに神崎さんが立っていた。

「何、驚いてんの?」

人気の無い保管室に、怪訝そうな神崎さんの声が響く。

「あ、あの……」

まさか神崎さんが来るとは思わなかったから慌ててしまう。

あたふたする私の横をさっさと通り過ぎた神崎さんは、積まれたダンボールを見て眉をひそめた。

「まさかまだ半分しか終ってないとか?」

「あっ、はい」

どうしてまさかなんだろう。

さぼらずやっていたし、特別作業が遅い訳でもないと思うけど。

< 10 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop