クール上司と偽装レンアイ!?
驚いて顔を上げると、神崎さんの優しい目が直ぐ近くに有った。

「俺も社会人失格。お前が飛び出したのを見て、後を追ったんだから」

「え……」

「別府課長に止められたから直ぐにって訳にはいかなかったけど」

信じられなかった。

神崎さんが私を追って来てくれたなんて。

ポカンと口を開ける私に、神崎さんは怪訝な顔をしてみせた。

「俺がなんであの場に居たと思うんだよ?」

「それは分からないけど……でも追ってきてくれるなんて思わなかったから。朝井さんもいたのに」

飲み会の席で神崎さんは一度も私の事を見なかった。

朝井さんとの会話が楽しくて、私の存在なんて気にしてもいないんだと思ってた。

「まどかとは今はもうただの同僚でしかない」

神崎さんは私を見つめながら言う。

優しい目……私の事、嫌ってないと確信出来る。

それなら……。

「私の事……どう思ってるんですか?」

恐いけど一番知りたかった事。

返事を待つ時間が気が遠くなる程長く感じる。

神崎さんは珍しく躊躇ってから口を開いた。
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