クール上司と偽装レンアイ!?
昼休み。

混み合う社食を避けて出かけた、定食屋で真希ちゃんが思い出したように聞いて来た。

「神崎さんとはあれからどうなったの?」

「それが……」

成り行きを大まかに説明すると、真希ちゃんは自分の事のように喜んでくれた。

「良かったね。お互い言葉が足りなかっただけなんだ」

「うん、そうみたい。酔った勢いで話し合いって感じになったんだけど、良かったよ」

「酔った勢いって……なんか重要な場面、いつも酔っ払ってない?」

「そ、そう言えば……」

確かに真希ちゃんの言う通り。

私ってお酒の力を借りないと言いたい事も言えないんだ。

「まあ、でも今回は大丈夫なんでしょ?」

「うん。その後週末ずっと一緒に過ごしたし……」

「ふーん、一緒にね……」

うっかり余計な事まで呟いてしまうと、真希ちゃんは聞き逃さずにニヤリと笑って言った。

なんか……変な想像されてそう。

気恥ずかしくて居たたまれない私に、真希ちゃんはしみじみと言う。

「彩、幸せそうだね」

「え……うん。幸せだよ」

「そっか。良かった。なんかやっとって感じで私も嬉しい。彩とは会社は入って直ぐに仲良くなったけど、常に男っ気ゼロだから心配してたし」

「……そうだったの?」
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