クール上司と偽装レンアイ!?
「神崎、どこに行ってたんだ?」

威圧的な声。

葵はゆっくりと別府課長を見上げる。顔色一つ変わっていなくていつものクールな眼差しだ。

でも、この場面じゃもう少し反省してますって空気を醸し出した方がいいんじゃ……。

「食事に出てたんですが。仕入先との連絡の関係で休憩時間をずらしました」

「そうか」

葵が淡々と言うと、別府課長はあっさりと頷き自分の席に引き返して行く。

え……そんなに簡単に解決するの?

以前私が5分遅れた時は、しつこくネチネチを文句言われたのに。

同じ事をしたのに、この差って……私もビクビクしてないで葵みたいに堂々としてればいいのかな。

チラリと前を見ると葵は別府課長とのやり取りなんて無かったように、仕事を始めてる。

……そう言えば、葵は本当は何をしていたんだろう。

お昼休憩はいつも通り、ちゃんと12時から取ったはずだけど。

葵……今までどこに居たの?


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