クール上司と偽装レンアイ!?
真壁さん担当の試作品に必須のアイテムが遅延している。

どうして？

この件に関してはちゃんと手配した記憶が有るのに。

私の様子を不審に思ったのか、真壁さんが画面を覗き込んで来た。

直後、怒りの口調で責められた。

「これどういう事？　一週間も遅れるなんて、もう顧客との段取りは付けて有るのよ」

「す、すみません」

どうして？頭の中はそれだけで、真壁さんの剣幕も合わさって半ばパニックになっていた。

「これどう責任とるの？」

責任って……そんな事言われても私にはどうしようも出来ない。

指先が震えるのを感じながら、もう一度画面に目を向ける。

そして気が付いた。

遅延の原因……それは購買部の新入社員の子が誤った情報に書き換えてしまったからだと。

きっと社内システムの入力をする時、手配NOを入れ間違えたんだ。

私も一度経験した事の有るミスだ。

原因が分かったからか冷静になれた。

私は真壁さんに事情を説明しようと向き直った。

けれど、先に真壁さんは私を責めるような台詞を一気に並べて来た。
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