クール上司と偽装レンアイ!?
「あなたこれで何度目のミスなの?」

「これは私のミスじゃ……」

「言い訳なんて聞きたくないんだけど」

ヒステリックに言われ、何も言い返せないでいると、突然葵の声が割り込んで来た。

「何、揉めてるんだよ?」

振り向くと不機嫌そうな葵が近付いて来る所だった。

真壁さんは苛立たしげに顔をしかめる。

私は心からホッとしていた。

葵が助けてくれると思ってたから。

でも、真壁さんから事情を聞いた葵は、私に向って冷たく言った。

「仕入先に連絡して直ぐに持って来る様交渉しろ」

「え……でも今からじゃ無理……」

「無理でもやるのが仕事だろ? それから自分がミスした時はちゃんと謝れよ」

「……」

信じられなかった。

葵の切り捨てるような冷たさが。

それに納得いかなかった。元々は私のミスじゃないのに真壁さんに執拗に責められて、更に葵にまで怒られるなんて。

でも直ぐに反論する事も出来なかった。

真壁さんは勝ち誇ったような表情をしてフロアを出て行く。

葵は立ち尽くしたままの私に気付くと眉をひそめて言った。
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