クール上司と偽装レンアイ!?
ロッカールームで時間をかけてメイク直しをしてもイライラは消えてくれない。
こんな時は気晴らしに飲みに行きたいけど、付き合ってくれそうな真希ちゃんは仕事が忙しいらしく都合がつかず、学生時代の友達には連絡する気になれなかった。
一人で飲みに行くのは更に気が乗らないし……仕方なく真っ直ぐ家に帰ろうと思いながら駅に向う途中「広瀬さん?」と低く響く声で呼びかけられた。
声のした方を向くと外出から戻って来たのか大きな手提げ袋を手にした藤原さんが居た。
「あ、お疲れさまです」
軽く頭を下げながら言う。
「今日は早いんだな」
「あ、はい……」
残業する気にはなれなかったからだけど、藤原さんにそれを正直には言えない。
歯切れ悪い返事だったからか、藤原さんは何か探る様な目で私を見据えて来た。
「あ、あの……」
やっぱり藤原さんにこんな至近距離から見られると緊張する。
動揺していると藤原さんがまさかの発言をした。
「俺も帰るから今から飲みにいかないか?」
「え? 飲みにって私と藤原さんとでですか?」
「そう。この荷物置いて直ぐに戻るから少し待っていて」
「あ、あの、待ってくださ……」
私の返事も聞かずに藤原さんは素早くビルの正面玄関から入り、エレベーターホールへ行ってしまった。
こんな時は気晴らしに飲みに行きたいけど、付き合ってくれそうな真希ちゃんは仕事が忙しいらしく都合がつかず、学生時代の友達には連絡する気になれなかった。
一人で飲みに行くのは更に気が乗らないし……仕方なく真っ直ぐ家に帰ろうと思いながら駅に向う途中「広瀬さん?」と低く響く声で呼びかけられた。
声のした方を向くと外出から戻って来たのか大きな手提げ袋を手にした藤原さんが居た。
「あ、お疲れさまです」
軽く頭を下げながら言う。
「今日は早いんだな」
「あ、はい……」
残業する気にはなれなかったからだけど、藤原さんにそれを正直には言えない。
歯切れ悪い返事だったからか、藤原さんは何か探る様な目で私を見据えて来た。
「あ、あの……」
やっぱり藤原さんにこんな至近距離から見られると緊張する。
動揺していると藤原さんがまさかの発言をした。
「俺も帰るから今から飲みにいかないか?」
「え? 飲みにって私と藤原さんとでですか?」
「そう。この荷物置いて直ぐに戻るから少し待っていて」
「あ、あの、待ってくださ……」
私の返事も聞かずに藤原さんは素早くビルの正面玄関から入り、エレベーターホールへ行ってしまった。