クール上司と偽装レンアイ!?
呆然……飲みには行きたかったけど。

藤原さんと個人的に飲めるなんて二度とない貴重な機会なんだろうけど。
でも私は躊躇ってしまう。

彼が居るのに他の男の人と二人で出かけるなんて良くないと思うから。

「ごめん、待たせた」

藤原さんは思ったよりずっと早く戻って来た。

悩んでたくせにはっきり断る事も出来なくて、結局、藤原さんに連れられて、会社近くの和食を扱っている店に入った。



店の中は大きなカウンターと個室が幾つか有る造りだった。

初めて来たけど、かなり高級な店みたいだ。

藤原さんは何度か来た事が有るみたいで、迷う様素もなくお店の人に個室を頼んでいた。

カウンターの後ろを通り、店の奥の方の個室に入る。

四畳くらいの部屋の真ん中に大きめな机が置いてある。

装飾品は和室に合う落ち着いた雰囲気のものだし、プライバシーの保たれた居心地の良い部屋だと思った。
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