クール上司と偽装レンアイ!?
藤原さんはチラッとメニューを見て、私の希望を聞いてから注文をする。

この店のお勧めを熟知しているみたいだ。

店員が下がって二人きりになると、藤原さんはリラックスした様子で上着を脱いだ。

なんだか……今更の様に緊張して来てしまった。

最近は仕事の関係で交流が有るけど、藤原さんと言えば社内一の有名人。

おまけに滅多に居ないイケメン。

そんな人がなんで私なんか誘ったんだろう。

飲みに行きたいなら相手なんていくらでもいそうなのに。

あの鬼の様に恐い真壁さんだって、藤原さんの誘いなら大喜びで付いて行きそうだし……よく考えたら真壁さんにこんな所見られたら大変な事になるだろうな。

流されてここまで来たけどやっぱり私軽率だったかも。

短い時間であれこれ考える。

我に返ったのは藤原さんに呼びかけられたからだ。

「今日は大変だったみたいだな。大丈夫だった?」

「え?」

「真壁担当の案件でトラブルが有ったって聞いたけど」

「あ、その話ですか……情報早いですね」

藤原さんは外出していたみたいなのに、どこでそんな噂聞いたんだろう。
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